埋没毛(埋もれ毛)

ムダ毛の自己処理を行う方に多く見られるのが「埋没毛」です。「埋もれ毛」という呼ばれ方もします。

これは、本来皮膚の外に伸びていくはずの毛が外に出られず、皮膚の中で伸びてしまっている状態のことをいいます。

埋没したムダ毛は、皮膚の中であらぬ方向に向かって伸びているのが見えたり、皮膚の下にクルクルとう渦巻いて黒いブツブツに見えて、見栄えが良いとは言えません。

この毛は皮膚下にあるので剃る事も抜く事も出来ずに対処に困ってしまいます。

さらに困ったことに、一度埋没毛が起こった毛穴は、また埋没毛が起こりやすくなってしまいます。

【このページの目次
埋没毛の原因
埋没毛の対処法

埋没毛の原因

通常は新しい毛が毛根から生まれると、毛穴に沿って伸びて皮膚の外に顔を出すのですが、何らかの原因で毛の出口が塞がっていたり、毛が途中で引っかかったりすると、毛は外に出る事が出来なくなってしまいます。

しかし、行き場を失ったからといって毛は成長をやめません。皮膚の中で成長し続け、やがて皮膚の中に透けて見えるようになります。

埋没毛は、ムダ毛を「抜く」処理や、「剃る」処理をした時に比較的多く見られます。

毛を剃ったときの場合

ムダ毛を剃るときに少しでもキレイにしようと深剃りをする人も少なくないでしょう。しかし、これが埋没毛の原因となってしまいます。

深剃りした毛は肌の表面よりも低い位置でカットされてしまう場合があります。つまり、毛の断面が毛穴の外ではなく、毛穴の内側にある状態です。

カミソリなどでカットされた毛は断面に鋭利な角がついていますので、この角が毛穴の中に引っかかってしまいます。すると引っかかった毛は毛穴の側面を突き破って、上ではなく横に向かって、とんでもない方向に伸び始めます。

毛を抜いたとき場合

毛抜きで埋没毛が起こる原因は、大きく2つあります。

1つは、毛が根元から抜けずに途中で切れてしまった場合です。この場合は「毛を剃ったときの場合」で説明したのと同じで、切れた毛の断面が毛穴の壁に引っかかり、横にそれて伸びてしまうことです。

もう一つは、毛の出口がふさがれて外に出られなくなってしまう場合です。

毛の根元にある毛根部は、毛の太さよりも太くなっています。ということは毛穴の広さよりも太いのです。この毛根部を強引に引き抜くと、大きな毛根部が毛穴を通過するときに毛穴内部(特に出口付近)を傷つけてしまいます。傷ついた毛穴は傷どうしがくっついてしまったり、かさぶたが出来たりして、結果的に毛穴をふさいでしまいます。

すると、出口をふさがれて行き場を失ってしまったムダ毛が皮膚の中で成長し続け、毛穴の中でクルクルととぐろを巻いてしまいます。

埋没毛は、ピンセットを使って一本一本抜く場合でも起こりますが、さらに起こりやすいのは毛抜き脱毛器やワックス脱毛で毛を抜いた場合です。

毛の生えている方向にまっすぐ引き抜けば、まだダメージは少なくすむのですが、毛抜き脱毛器やワックスは毛の生えているいる方向を全く無視して強引に引き抜きますので、毛が途中で切れたり毛穴を痛めたりしやすいのです。


埋没毛の対処法

埋没毛になってしまったら、無理に取り出そうとせずに放置するのが一番です。

多くの場合、いつの間にか毛は皮膚の外に出てなくなっています。数ヶ月間、または数年かかるかもしれませんが、その間は辛抱して待ち続けましょう。

早く埋没毛を外に出したい場合は、自己処理を一旦控えてお肌のケアに取り掛かりましょう。

乾燥しやすい膝や肘部分に埋没毛は現れやすく、そういった部分は特に潤いを持たせてあげる事が必要です。お風呂上がりの皮膚が柔らかくなった時などに、水分補給をしてクリームなどで蒸発を防ぎます。

埋没毛を気にして、無理やり皮膚から引き抜こうとする方もいらっしゃいますが、炎症を引き起こす原因にもなります。肌に生涯残る傷になったり、色素沈着してしまうなど、後々取り返しがつかなくなる事もよくあります。お気持ちはわかりますが、皮膚を軟らかくして顔を出すのを待った方が得策です。

冒頭でもお伝えしましたが、埋没毛は一度起こってしまうと再発しやすくなってしまいます。これは、埋没毛を起こした毛穴が変形してしまうからだと考えられています。

大切なことは、埋没毛を作らないことです。埋没毛の原因となってしまう毛抜きやカミソリなどでの深剃りは、やらないようにしましょう。