脱毛石鹸は効果なし!脱毛も抑毛もできません

「この石鹸で体を洗うだけで、どんどん毛が薄くなって、最終的には永久脱毛できる」

こんな石鹸が販売されていますが・・・。

残念ながら、期待するような効果はありません。

その理由を説明します。

脱毛石鹸とは?

使い続けることで毛がどんどん薄くなっていく、と言われる脱毛石鹸。

  • K-OUT
  • Jomoly(ジョモリー)
  • epi (イーアイピー)ソープ

などが人気ですね。

脱毛石鹸はよく、「芸能人の〇〇さんもこれで脱毛した」。
などと掛かれることがありますが、その真偽は定かではありません。

脱毛石鹸で「1回」洗って流すだけで剛毛がキレイになくなっている・・・という動画もあるみたいですね。

もちろんそんなことはあり得ませんし、
使うことで毛が薄くなることも「全くのゼロ」ではないとしても、ほぼゼロに近いでしょう。

もちろん、永久脱毛なんてできません。

脱毛石鹸は、「脱毛クリーム(除毛クリーム)」の成分と、「抑毛ローション」の成分を石鹸に練り込んだだけの商品です。

成分を見る限り、これ以外の特別な成分は見当たりません。

脱毛石鹸の成分

脱毛石鹸には

  • 除毛クリームの「毛を溶かす成分」と、
  • 抑毛ローションの「毛の成長を抑制する成分」

が含まれています。

毛を溶かす成分

チオグリコール酸カルシウム

これは除毛クリーム(脱毛クリーム)の主成分で、強アルカリの性質を利用して毛を溶かす薬剤です。

乾いた肌に「除毛クリーム」を塗り、5~10分放置することで毛が溶けて、洗い流すことで溶けた毛も洗い流される、という仕組みです。

このチオグリコール酸カルシウムが脱毛石鹸に練り込まれているわけですが、これは目に入ったり粘膜に付着すると危険な「劇薬」ですので、石鹸にはかなり薄い濃度で配合されています。

さらに、水に溶かした時点で「強アルカリ」の性質は失われ、「弱アルカリ性」というよりほとんど「中性」となってしまいますので、毛を溶かす力はありません。

パパイン、プロメライン

パパインはパパイヤに含まれる成分で、
プロメラインはパイナップルに含まれる成分です。

これらの成分は人間の体内にはない、「毛を分解することができる」・・・といわれている酵素ですが、実際のところ、毛を溶かすことはできません。

ウサギなどが飲み込んだ毛がお腹の中で毛玉になって排泄が困難になるのを防ぐ目的で、パイナップルを与えることがあるようですが、これは、毛の周りのでんぷんを溶かして毛玉を「ほぐす」目的であって、毛自体は溶けないのだそうです。

でもこれを「パイナップルで毛が溶ける」と勘違した人が広めてしまったようです。
肉を柔らかくすることにも使用されるので、ますます信用されやすかったのでしょう。

仮にパパインやプロメラインに毛を溶かす性質があったとしても、
石鹸に含まれるわずかな成分で、しかも水で薄まった状態でその力を発揮できるはずがありません。

毛の成長を抑制する成分

大豆イソフラボン(大豆エキス)

大豆イソフラボンは女性ホルモンに似た働きをすることで有名な成分です。

一般的に「男性ホルモン」は毛を濃くし、女性ホルモンは毛を薄くするといわれています。

脱毛石鹸に配合される大豆エキスは、大豆イソフラボンの働きで毛の成長を抑制する働きを狙ったものと考えられます。

この大豆イソフラボンには毛の成長を緩やかにする効果がある程度期待できますが、
石鹸に練り込まれた成分がわずかだということ、
水に溶けて薄まった状態で使用すること、
ほとんどが洗い流されてしまうこと、

これらの理由で、脱毛石鹸の大豆イソフラボンはほとんど効果がないといえるでしょう。

ちなみに、大豆イソフラボンには毛を生えなくする「脱毛」効果はありません。

使い続けても永久脱毛はできない

これまで、脱毛石鹸では

  • 毛を溶かすことはできないことと、
  • 毛の成長を抑えることもできない

ことをお伝えしましたが、それでも、使い続ければ毛が徐々に薄くなって、最後には永久脱毛できるのでは?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

でも、残念ながらそれは不可能です。

永久脱毛するには毛穴の奥にある「毛乳頭」という部分にダメージを与えて破壊しなければいけません。

毛乳頭は「毛の工場」のような場所で、これを破壊することで毛を生えられなくする、というのが脱毛の原理です。

脱毛石鹸の中でこれができそうな成分は、タンパク質を溶かす成分「チオグリコール酸カルシウム」しかありません。しかし、上でもお話ししましたがチオグリコール酸カルシウムは水で薄まるとタンパク質を溶かす性質は失われてしまいます。

もしこの成分が「強アルカリ」の性質を保ったままで毛乳頭までたどり着いたとしたら、体中の毛穴が赤く炎症を起こして、痒くてしょうがない状態になります。

でももし、脱毛石鹸を使用したあとに体中の毛穴が赤くポツポツと炎症して、痒みや痛みを引き起こすようなことがあるなら、使い続けることで永久脱毛も可能かもしれません。
でもそのときは、全身が赤や黒のポツポツ肌になっているはずです。

「効果あり」の口コミもあるけど?

いろんな脱毛石鹸の口コミには「効果なし」も多いですが、「効果あり」の口コミもありますね。

でもよく読んでみると、
毛が薄くなった「感じがします」
生える速度が遅くなった「ような気がします」
などハッキリしない意見も多いですね。

最後に

脱毛石鹸には、

  • 毛を分解する作用も、
  • 毛の成長を抑制する作用も、
  • 毛乳頭にダメージを与えて「脱毛」する作用も

ありません。

それでも脱毛石鹸を試してみたいなら、1個だけ購入してその「泡」と数本の「髪の毛」を容器に入れて、1日観察してみてください。

おそらく毛の油分が溶けだすだけで、他には「何も」起こらないと思われます。

何か月もリピート購入してガッカリする前に、ご自身の目で確かめてください。

脱毛したいなら、家庭用脱毛器がオススメ

もし本当に脱毛したいなら、家庭用脱毛器がオススメです。

自分で脱毛作業をする「手間」はかかりますが、
脱毛石鹸1年分のお値段で、脱毛サロンやクリニックと同じ「本格的な脱毛処理」ができます。

毛を薄くしたいなら抑毛ローションがオススメ

一時的でも毛を薄くしたいなら、「抑毛ローション」がオススメです。

抑毛ローションは、濃い抑毛成分を肌に塗る化粧品です。

洗い流してしまう脱毛石鹸とは違い、入浴するまで濃い抑毛成分が毛穴の奥で働き続けます。

それでも効果には個人差があり、効く人と効かない人がいらっしゃいますが、
脱毛石鹸とは比べ物にならないくらいに効果が期待できます。